平成30年台風24号(Trami,チャーミー)による宮崎県内の太陽光発電設備の破損について
平成30年台風24号(Trami,チャーミー)は、9月30日に日向灘を強い勢力で通過し、宮崎県内は暴風雨にさらされました。
私どもおひさまネットワークでは、台風による太陽光発電設備の破損による設備そのものの被害、並びに周辺への二次被害の防止に注意喚起を行ってきました。今回の台風24号についても9月28日にホームぺ時等を通じて注意喚起を行いました。
FIT制度開始後、強い台風の接近の度に注意喚起を行い、何回かは被害の発生もありましたが、一度に多数の被害が出るということはほとんどありませんでした。
しかしながら、台風24号(Trami,チャーミー)では多くの太陽光発電設備に被害が出ました。宮崎市内で発生した代表的な被害3か所の画像を紹介します。今後の参考にしていただきたいと思います。
台風24号(Trami,チャーミー)の最大瞬間風速等は、平成30年台風第24号に関する宮崎県気象情報 第17号によると、下記のとおりです。
<風の実況> 9月28日00時から30日23時までの最大瞬間風速と最大風速 (アメダスによる速報値 単位:メートル) 西都 最大瞬間風速 41.3 北 30日11時54分 最大風速 21.8 北 30日12時06分 宮崎市田野 最大瞬間風速 40.8 北 30日10時54分 最大風速 22.9 北北東 30日11時03分 宮崎空港 最大瞬間風速 40.1 北東 30日10時47分 最大風速 29.7 北東 30日10時52分 延岡市古江 最大瞬間風速 38.6 北 30日13時37分 最大風速 21.5 北 30日13時32分 宮崎市霧島 最大瞬間風速 37.9 北北東 30日11時01分 最大風速 23.4 北北東 30日11時02分
太陽光発電設備の基礎、架台に求められる基準風速は、宮崎市内では36m/secです。基準風速は、最大瞬間風速(3秒間の平均値)
ではなく、最大風速(10分平均値)です。
今回の24号台風では、宮崎県内で一番強かった最大風速は、29.7m/secで、いずれの地点でも基準風速よりはるかに弱い風でした。
私どもの経験では、設計業者の方々で、基準風速を最大瞬間風速と比較する方がいらっしゃいますが、明確に間違いです。
そのことも踏まえれば、今回の24号台風で多くの被害が出たことは、設計や施工に問題があっただろうことは想像に難くありません。
再生可能エネルギーの普及は行わなくてはならないことですし、現行FIT制度は、国民の負担の上に成り立っています。そのようなこと
を考えると、健全な設備を安定的に運転していくことが発電所の運営者には求められます。
今回の被害の状況を踏まえて、今後への教訓として生かしていただきたいと願うばかりです。