熊本地震(4月14日夜発生)による太陽光発電施設への影響に関する注意喚起
2016(平成28)年4月14日夜、熊本県益城町で発生した内陸部直下型地震は、マグニチュード(M)6・5、震源地での震度7でした。地震の揺れは震源地を中心に九州内に広く及んでいます。被災された皆様にお見舞い申し上げます。
今回の地震による太陽光発電施設への影響に関し、太陽光発電施設の所有者(発電事業者)、電気主任技術者、販売施工等関係の皆様に以下の通り注意を喚起いたします。
1 揺れの大きかった地域(目安としては、がけ崩れ、家屋の倒壊・破損、塀の倒壊、瓦のずれ・落下等のあった地域)
① 野立て、屋根置き等を問わずモジュール、ストリングス、パワコン、キュービクル等の設備並びに配線の破損、断線等に注意してください。
② 異常を発見した場合は、電気主任技術者の選任・專任を行っている施設では速やかに電気主任技術者に連絡し対策をしてください。電気主任技術者の選任・專任を要しない余剰売電を含む低圧の施設では、販売施工業者に速やかに連絡し対策をしてください。
③ 本日(15日)から明日(16日)にかけては、日中晴天となる天気予報です。太陽光発電は日射があれば施設に破損があっても発電をします。断線等で、短絡や地絡により漏電状態にある場合、安易に近づいたり触れたりすると感電の危険があります。近づく場合はゴム長、ゴム手袋、ヘルメットの着用をしてください。また、破損の部位、程度によっては火災発生の可能性もあります。
④ 明日(16日)夜から明後日(17日)にかけては、降雨の予想となっています。モジュールの防水性の低下、配線の被覆の損傷、破断等の箇所から雨水の浸透による絶縁の破壊・低下が起こることが考えられます。降雨後晴天になった場合、モジュールは発電しますので、③の危険性が高まります。注意してください。
⑤ 野立ての施設で、斜面や地滑りの可能性があり、地面に亀裂がある場合は、雨水の浸透により土台の保持力が小さくなり、二次被害を引き起こす可能性もあります。注意してください。
⑥ 屋根の上に設置されている施設でも配線の屈曲部等、地震による揺れで大きな力がかかる部位の破損が起きていることもあります。注意してください。
2 揺れがそれほど大きくなかった地域(1以外の地域)
1以外の地域では、1を参考に目視等で点検を行ってください。異常がある場合は1に準じる対策をおこなってください。
3 停電への対応
① 余剰電力売電施設(家庭用を主として)では、停電時に自立運転ができるようになっています。自立運転を行うことで、1.5kWまでの電気製品を使用することができます。炊飯、湯沸かし、情報収集、携帯電話充電等が可能となります。可能であれば近隣で助け合って活用ください。
② 自立運転を行う際は、上記異常が無いことを確認の上自立運転を行うようにしてください。自立運転中に異常を感じたら自立運転を中止し、販売施工業者に連絡してください。自立運転については、環境省の下記HP(太陽光発電の使い方に関するパンフレット)及びそれぞれの取り扱い説明書をご覧ください。
https://www.env.go.jp/earth/info/pv_pamph/
最後に重ねてではありますが、亡くなられた皆様に対し哀悼の意をささげるとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。