太陽光パネルについての情報・取り付けをお考えの方、トラブルにお困りの方はひむかおひさまネットワークへ!

ホームよせられた相談 > 全量売電の太陽光発電設備のモジュール数枚が破損しました。廃棄はどのようにしたら良いでしょうか?

全量売電の太陽光発電設備のモジュール数枚が破損しました。廃棄はどのようにしたら良いでしょうか?

2016(平成28)年3月に、宮崎県内のメガワットクラス発電所(A自治体に設置)の電気主任技術者(Bさん)からタイトル内容の相談を私ども、ひむかおひさまネットワークに電話で受けました。モジュールは、国外メーカー(C国、D社)製のものでした。

この相談内容、対応、処置、結果について皆様にお知らせします。同様のことは各設備でも生じていると思われますので、現在あるいは今後同様のことが発生した際、皆様の参考にしていただきたいと考え詳細を報告し、最後に考察をいたします。

Bさんからは、内容については太陽光発電を行っている施設の所有者、電気主任技術者の皆さんの参考になるだろうからと、掲載の了解をいただきました。掲載にあたっては匿地、匿名で記載します。併せて、メーカー名等も匿名といたします。

1 状況:FIT制度を利用したメガワットクラス太陽光発電所で、モジュール数枚に外的衝撃を受けたことによると考えられる破損が発生した。代替品はメーカー(の日本支社)から送られてきたので、交換を行った。しかしながら、破損したモジュールの処分について、どうしたらよいかアドバイスいただきたい。

2 おひさまネットワークからのアドバイス

1回目アドバイス:
①保証書で当該状況が発生した場合についてどのように記載されているか確認していただき、その内容に沿って処分したら良いのではないか。一般的に国内メーカーの場合は、原因把握の目的もあり、販売施工業者経由でメーカーに戻すことが多いと聞いている。

②破損モジュールをメーカーに戻せれば、事後はメーカーの責任で処理を行うことになるが、破損状況、モジュールのシリアルNo等の写真撮影、記録、送付状等の整理保管を遺漏なく行なったうえでこれらの情報の保管をしておく必要がある。

③メーカーが引き取らない場合は、有価物として売却するか、廃棄物として処分することになる。

まず①の内容を確認いただきたい。

1回目のアドバイスを受けて保証書等で確認したところ、メーカーは代替品は送るが、破損したモジュールは引き取らないということなので、処分先を探したところ有価物として買い取るところがあった。

2回目アドバイス:

①有価物であれば、売ったという証拠を残すために領収書を発行し、入金も記録に残すようにした方が良い。

②現在経済産業省が、モジュール回収・パネルリサイクルのモデル事業を平成28年度から2か年間行うということで予算措置をしている。しばらく保管してそのルートに乗せることもできるかもしれない。

3回目アドバイス:経過を確認するために、おひさまから電話したところ、管理型処分場に持ち込むことも考えている。有価物とし、売却するか決めていない、とのことであった。

①廃棄物として処分する場合は、廃掃法によりマニフェストが作成されるので、該当部分を受け取り、保管することが必要。

②有価物として売却する場合は、2回目のアドバイスで申し上げた内容に沿って記録することが必要。

③いずれの処分を行うにせよ、記録を残し、破損したモジュールのトレーサビリティーが行える体制を構築することが必要。今後同様の事例は同一施設で発生するだろうから、コンプライアンスに努めていただきたい。

Ⅴ 纏め

1 モジュール等太陽光発電施設(他の発電でも同様)から発生した破損し廃棄する物は、だれがどのように処分するか、メーカー保証内容や損保等の付保を行っている場合はその内容を確認することが必要です。その内容に沿って処理についての権限が発生することになります。

2 当該施設で起こるリスク評価、リスク管理を行い、各種法律にどのように規制されるか整理する必要があります。これらの手法は、ISO14000や9000シリーズの認証を参考にしていただければ、概ね問題なく対処できます。

3 全量売電の施設では、同一メーカーでも異なるロットのモジュールが入っているだろうから、モジュールに不具合が発生した場合は、ロット間で差異があるか、設置位置で差異があるか等、今後の統計的解析を念頭に置いて記録整理する必要があります。このことは、廃棄物の処理ということを離れて、施設の管理に必要なこととなります。

4 今回の相談は、全量売電の施設でしたので、破損したものは産業廃棄物となります。家庭用の太陽光発電設備の場合は、廃掃法上の法的位置づけが微妙ですから、個人で処分する場合は、地元自治体の廃棄物担当課に確認したうえで処分をする必要があります。

5 2016(平成28)年度から経済産業省採択事業として北九州でで、モジュールの再資源化のモデル事業が開始されます。この事業が早期に軌道にのれば、今回のような事例もあまり悩むことが無くなると思われます。参考URLは下記のとおりです。

https://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000718291.pdf

記事一覧のページへ