太陽光パネル中古品の性能評価試験を行いました。
試験に供された太陽光パネルは、約10年前に製造され、使用されていた国産メーカーの多結晶シリコン系のもの5枚でした。大まかな定格性能は、開放電圧25V、出力150Wのものでした。
測定は、内部抵抗、絶縁抵抗、IV曲線の測定を行いました。関連して影の影響がIV曲線上でどのように表れるかを調べました。
測定は快晴であった9日に2枚、薄曇りであった10日に3枚の試験を行いました。結果の概略は以下の通りでした。
1 内部抵抗は5枚とも5Ω未満で断線等の無いことが確認されました。
2 絶縁抵抗も問題がないことが確認されました。
3 開放電圧は5枚とも定格の25Vより最大でも1V低い程度で特段の問題はありませんでした。
4 晴天時に測定した2枚の出力は120W程度と、定格の約8割でした。このときの日射強度は、1平方メートル当たり約1200Wでしたから、出力は若干低下していると想定されました。測定時の気温は14℃、パネル表面温度は23℃でした。薄曇りであった10日に測定したものの出力は、日射強度は、1平方メートル当たり約200~400Wと低かったため相応の出力しか得られませんでした。
5 天候条件による出力の違いはあったものの、IV曲線は5枚ともきれいな曲線を描いていました。薄曇りであった10日に測定したIV曲線は、測定機器が正確な値を示す日射強度より低い条件で測定しましたから信頼性は落ちますが、パネルに大きな破綻はないと推定して良いと感がられます。
6 影を作って出力測定、IV曲線を作成したところ巷間言われているように、大きな影響がありました。影に関しては、宮崎県内(だけではありませんが)でも屋根の上、野立ての太陽光パネルの設備に近隣の山林、電柱、建物の影が多くの時間かかっているところをよくみかけます。販売施工の方々は設置者に十分な説明を行って、影による損失を設置者が理解したうえで行っているのか疑問を感じることも多くあります。影は、視覚的にも判りやすいことですから、今後太陽光発電設備を設置される方々は十分注意していただきたいと考えます。
以上のことから、今回行った試験方法で中古パネルの評価がある程度の信頼性を持って行えるとの感触を得ました。今後さらに他の試験方法も加えながら、リーズナブルな評価方法を得ることで、上記目的の3、4に生かし、ひむかおひさまネットワークが率先して宮崎県内の太陽光発電の有効な運転、さらには再利用にの道を切り開いていきたいと考えています。
今回の試験結果に興味をお持ちの方は、ひむかおひさまネットワークにお問い合わせいただければさらに詳しい情報を説明いたします。ぜひご活用ください。