家の屋根に太陽光発電を設置して売電いるが、電圧抑制が頻繁に発生している。どうしたらよいだろうか?
2015(平成27)年10月11日に、宮崎市内にお住いの方(Aさん)から表題の質問を受けました。電圧抑制について簡単に説明すると、太陽光発電が発電しているのに、配線の電圧が上がってしまって、電力会社に売電できない状態のことです。(詳しくは下記参考PDFをご覧ください。)
Aさんのご自宅は、住宅団地内にあり、周辺でも太陽光発電を設置される方が増えてきて、最近は頻繁に電圧抑制が生じるとのことでした。おひさまの役員の自宅でも同様のことが2014年に生じていたので、その際の現象と対策をAさんに説明しました。
おひさまの役員宅で生じたのは、晴天時午前10時に1.5kW(太陽光発電は3kW)の発電を表示し、その後太陽高度が上がっていっても1.5kW以上の発電量を示しませんでした。正常であれば12時ごろには2.3kWの発電表示になります。
この状況が生じる前に、電力会社のトランスから、おひさまの役員宅までの中間にあるお宅に太陽光発電が設置されました。そのためにおひさまの役員宅に電圧抑制がかかったものと考えられました。
電力会社に電話をして、1週間の調査をしてもらいました。そのうえで、太陽光発電メーカーの修理部門の方に来ていただき、パワコンの調整をし、回復しました。
このことをAさんにも申し上げました。Aさんも販売施工業者に連絡して何とかしてもらいたいとお願いしたとのことですが、販売施工業者の方がAさん宅に来られて点検はしたけれど、私(販売施工業者)も太陽光を設置しているけれど、私のところでは電圧抑制はほとんどかからない、と言われて点検はしたけれど、対策は無かったとのことでした。
Aさんには、おひさまから、電力会社に調査を頼むことと、電圧抑制時の発電量の記録を取り、販売施工業者に改めてその数字も示すように助言しました。
電圧抑制が生じると、売電が全くできないわけではなく、相当程度(おひさま役員の例では正常時の6~7割程度、定格換算では5割程度)は発電するため、気づきにくいのが現状です。最近の表示装置は電圧抑制が生じた際にはそのことを表示するようになってきていますが、10年以上前の表示装置では表示されません。
対策は、いくつかの方法がありますが、ご家庭で手軽にできるのは晴天時の発電量を、10時くらいから時々見て、太陽高度が上がって順調に発電が増えるかを見ることです。
Aさんと同じような相談は、県央自治体にお住いの方(Bさん)からもいただいています。こちらもおひさまの役員と同様、かなり深刻で周辺に多くの低圧全量売電の施設が設置されてから、4kWの発電に対して、最大2kWまでしか上がらない状況とのことです。
電圧上昇抑制について参考となる2つの情報のURLを案内いたします。ご覧ください。
NPO法人 太陽光発電ネットワーク(PV-Net)「太陽光発電の普及・促進の影で」
http://www.greenenergy.jp/pdf/press_release.pdf
内閣官房
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy09/pdf/20111108/siryo4-2.pdf
おひさまの役員宅で電気会社が調査した際の画像は下のとおりです。データロガーはビニールで覆ってあります。